画像部会長挨拶

部 会 長 挨 拶

画像部会長 篠原範充

 この度,第8代画像部会長の白石順二先生(熊本大学)の後を受け,第9代画像部会長を拝命いたしました篠原範充です.画像部会は,1977年に内田勝先生より創設された日本放射技術学会(以下,本学会)で最初の専門部会です.これまで部会長は,山下一也先生,小寺吉衞先生,藤田広志先生,桂川茂彦先生,杜下淳次先生,石田隆行先生,白石順二先生がご担務されており,本学会を代表する錚々たる先生方ばかりです.

 画像部会は,画像分野に留まらず,「放射線技術学」とはどうあるべきかを牽引してきました.例えば,研究者としての意識,論文や発表方式のコンセンサスの普及,海外留学や国際学会での発表など国際化への寄与など,放射線技術学における学術的基盤を担ってきました.その中に自分の名前が入ることを非常に光栄に思いつつも,その責任の重さに身が引き締まる思いです.その意味からも放射線技術学における画像部会の役割をよく考え運営する必要があります.では,放射線技術学とは何なのか?私の考える放射線技術学とは,医学,工学(情報,電気,画像),理学(放射線,物理,化学,生物),看護学,倫理学などの学問を統合した複合学問と考えています.逆に考えると複数の視点から,物事を捉えることが求められます.ただし,複数の視点を生かすためには,自分自身の主要な視点が必要となり,画像部会におけるこの主要な視点が画像解析・評価,画像処理など画像を対処とした研究となります.例えば,本学会の研究テーマとして,線量・被ばくの適正化アプローチのような計測分野や防護分野のテーマ,至適撮影条件,動画などの撮影分野のテーマ,圧縮技術,データ容量など医療情報分野のテーマなどが考えられますが,その研究の多くで画像または臨床画像を評価することが有効になります.さらに核医学や放射線治療などにおいても画像と切り離して議論することは少ないと考えられます.つまり,画像部会は,これまでも,そしてこれからも放射線技術学研究において中心的かつ先進的な役割と他の研究を彩る役割担う必要があります.これら大きな責務に対して,私を含めて9名の画像部会委員で連携し活動して参りたいと思いますので,多くの会員の皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします.

 新しい画像部会では,臨床現場の皆様に興味を持っていただける「臨床で役に立つ画像の評価,技術,画像処理技術」に加えて,専門家にも興味を持っていただける「ちょっと先の先進技術」を両輪に進めていくことを私の画像部会長としての目標にして参りたいと考えております.微力ながら画像部会,本学会,皆様の研究のお役に立てるように尽力して参りますので,どうぞよろしくお願いいたします.