画像部会長挨拶

部 会 長 挨 拶

画像部会長 東出了

この度,第10代画像部会長を拝命いたしました東出 了です.ご指導やご支援をよろしくお願いいたします.画像部会の歴史は長く,1977年に分科会として設立されました.これまでの部会長(分科会長)は,内田 勝 先生,山下一也 先生,小寺吉衞 先生,藤田広志 先生,桂川茂彦 先生,杜下淳次 先生,石田隆行 先生,白石順二 先生,篠原範充 先生と日本放射線技術学会の発展に貢献され,牽引されてきた先生方が部会長を務められてきました.このため,非常に重責のある任務であることを理解しています.画像部会(画像分科会)は,これまでにX線イメージング(アナログシステム,ディジタルシステム)の画像形成理論や画質評価法,画像処理技術,コンピュータ支援検出/診断(computer-aided detection / diagnosis: CAD)技術および人工知能(artificial intelligence: AI)技術の医療画像への適用に関する内容を中心に多くのテーマを取り扱ってきました.私も入会当初から会員の1人として画像部会を通して多くを学び,放射線画像の画質評価の歴史や重要性に興味を持ち,私自身の研究テーマとなっていきました.私と同じように画像部会で学び,興味を持ち,研究を進めた会員の方も非常に多いと思います.また,画像部会の会員や委員を務める中で,諸先輩方から若い方まで多くの仲間によって画像部会が支えられ,発展し続けていることを実感してきました.今後もこの素晴らしい伝統を守り,会員の方々にとって誇れる画像部会を運営できるように努めていきます.
 最近の画像部会では「画質評価」や「深層学習」に関するテーマを中心に部会企画を行い,4つのセミナーも開催しています.「画質評価」に関するセミナーでは,物理評価を学ぶDRセミナー,視覚評価を学ぶROCセミナー,両者の応用編となる臨床画像評価セミナーを開催しています.「深層学習」に関するセミナーとして医用画像処理プログラミングセミナーを開催し,多くの会員の方々に放射線画像を研究するための知識や技術の普及を行っています.これらの知識や技術を普及や向上させることは,新技術に対する画質評価や新たな評価方法の提案,深層学習による画像解析や画像処理の技術開発など放射線技術学の研究を進める上で重要な役割を担っていると理解しています.新しい装置や技術に対する評価や技術開発は放射線技術学において重要であり,本学会の研究レベルの維持や向上には欠かせない専門部会であると認識しています.
 現在,日本放射線技術学会では専門部会の在り方が議論されています.画像部会は特定のモダリティを持たず,資格認定ポイントが加算されるイベントがない状況であり,会員の方々には放射線技術学の研究を進める中で画像部会の価値を認識して頂くことが大切であると考えています.是非とも学術大会では画像部会にご参加を頂き,「画質評価」や「深層学習」を学んでいきましょう.今後も画像部会の歴史や伝統である「画質評価」と「AI技術」をテーマの中心にしながら,新技術や時代のニーズに対応して解決することで,画像部会として新しい価値を創造することが可能と考えています.基礎からディープな専門的な内容まで幅広く取り組むことで,画像部会や日本放射線技術学会の会員の皆さまの研究や臨床にお役に立てるように取り組んでいきます.また,他の専門部会とのコラボレーション企画なども実現したいと考えています.今後も画像部会をご支援ください.よろしくお願いいたします.